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障害のこと

シングルマザーの重度障害児育児の実態は?何が大変?手当や福祉サービスについて解説!

シングルマザーの重度障害児育児の実態は?何が大変?手当や福祉サービスについて解説!

でこぼこ兄弟の長男は知的障害ありの重度の自閉症スペクトラムです。

長男が5歳の時に、シングルマザーとなりフルタイムで働くようになりました。

今回は、シングルマザーとなり1年経ち、ひとり親で重度障害児を育てる上で大変だと感じたコトについて、経験を踏まえて、書いています。

障害児のいる家庭の離婚率は高いのか?

よく「障害児のいる家庭では離婚率が高い」というのを耳にします。通常の家庭の6倍とも言われています。

確かに全体的に見るとそうなのかもしれませんが、長男の周りの保護者の方で、ひとり親が多いか?というとそうでもないような気もします。

障害児のいる家庭でも、結果的に離婚となった原因には、夫婦の価値観や教育レベル、出産時の年齢なども影響しているのではないかと言われていますね。

ひとり親で障害児を育てるということ

ひとり親で障害児を育てるということは、就労面や収入面で様々な困難があります。

フルタイムで働くことへの壁

療育園に週5で通っている長男の預かり時間は、9時〜15時までです。
引っ越しに伴い、転園も検討しましたが、「慣れない環境が苦手な長男」と「信頼できる先生と離れること」を危惧して、転園せずに隣の市の療育園に通い続けています。

私の場合は、就労していない祖母が送迎をしてくれるおかげで成り立っていますが、祖母の力を借りない限り、続けることはできなかったと思います。

さらに、療育園は月に数回の親子通園参観日保護者の勉強会、面談があります。
また、通院先での診察リハビリ市役所での手続きなどがあります。
フルタイムで働きながら、すべての行事に参加することは非常に難しいです。

私は「年休」をはじめ、会社の「介護休暇」や「看護休暇」を利用してなるべく参加するようにしています。

支援学校は登校時間が遅い

最近、就学準備をする上で分かったのですが、私の市の支援学校は登校時間が8時40分以降で、バスを利用する場合でも8時台のバスしかありません。
私の職場は8時から仕事なので、仕事に間に合わない・・・。
会社に相談して、就業開始時間をずらしてもらうことで対応できそうですが、シングルマザーは会社の理解がないとフルタイムで働くこともできないのか…。と、社会との壁を感じました。

病気になっても病児保育を頼れない

正確にいうと、病児保育は利用できます。しかし、長男のようなこだわりや特性が強い場合、加配保育のない病児保育で預かってもらうことができません

なので、病気になって登園ができない時は、仕事を休むか親族に預けるしかありません。

私の場合は、会社の看護休暇制度や年休を使って休んだり、両親に家でみてもらって仕事に行っています。

外出ができない

聴覚過敏や視覚過敏がある場合、スーパーや新しい場所がとにかく苦手です。
また、長男は多動症もあるので、どこに行くとしても必ず手を繋いでいないと危険です。

週末に一緒に買い物に行くことができないので、平日の療育に通っている間に買い物を済ませておくか、パニックになった時のために、大人が二人以上付き添って買い物をしなければなりません。

私の場合は、祖父母に長男をみてもらっている間に買い物を済ませたり、祖母と一緒に買い物に行っています。

帰宅後の過ごし方

家で一緒に過ごしている間は、脱走や誤飲、トイレへの誘導など、常に長男に意識を向けておかなければなりません。
また、何度も同じ要求をしてきたり、突然おこるパニックや癇癪が続くと正直気が滅入ってしまいます

そんな時に、一人で全てを対応していると、家事も何も手をつけることができません。

私の場合は、祖父母と同居しているおかげで、私一人に長男の要求が集中することもないので、気持ちの分散ができています。

ひとりで子供と暮らしているひとり親の場合、その全てに対応することは、かなり精神的に疲れてしまいます。

集合住宅での暮らしは難しい…

長男のように、多動があったり、独特な感覚を好む場合、日常の中で壁を叩いたり大きな音や声を何度も出してしまいます

注意してもなかなかやめることができないですし、突発的にやってしまうことも多いので、離婚後のアパート暮らしは諦めました。

現在は、実家の両親が戸建てに住んでいたので、実家に祖父母と一緒に住む決断をしました。
結果的に、家族全員の気持ちにゆとりができるので、実家に暮らすことにしてよかったと思っています。

障害児の手当て

障害児がもらえる手当は、条件に該当すれば2つあります!
そのほか、ひとり親に対しては児童扶養手当があります。

①特別児童扶養手当

目的

精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。

支給要件

20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。(所得条件あり)

厚生労働省HPより-https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/huyou.html

②障害児福祉手当

目的

重度障害児に対して、その障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害児の福祉の向上を図ることを目的としています。

支給要件

精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。(所得条件あり)

厚生労働省HPより-https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/hukushi.html

③児童扶養手当

目的

離婚によるひとり親世帯等、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について手当を支給し、児童の福祉の増進を図る。

支給要件

父母が婚姻を解消した児童、父又は母が死亡した児童、父又は母が一定程度の障害の状態にある児童、父又は母の生死が明らかでない児童などを監護等していること。(所得制限あり)

こども家庭庁HPよりーhttps://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/fuyou-teate

④児童手当

目的

児童手当は、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること

支給要件

0歳から中学校卒業までの児童を養育している方(所得制限あり)

こども家庭庁HPよりーhttps://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai

児童手当に関しては、今後も方針が変わりそうですね。

めかぶ

長男は、療育手帳がAに更新され、現在は「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」「児童手当」を受給しています。

困ったときに頼れるもの

私は祖父母と同居することができ、仕事もでき、家事も育児も手伝ってもらえる状況でしたが、祖父母がいなかったら、1人で今の育児と仕事を両立することはできていなかった、と断言できます。

また祖父母もいつまで元気なのか分からない状況で、何かあったときのために地域の情報を調べ、レスパイトやショートステイを知りました。

レスパイト…介護者の事情により一時的に自宅での介護が難難しくなった場合に短期間の入院をすること

短期入所生活援助ショートステイ)…在宅の障害児を介護している方が、出産、病気、介護疲れ、旅行等で一時的に介護できなくなった時に、一時的に施設入所し、施設サービスを受けることができる事業

厚生労働省ー在宅の子ども・子育て家庭支援事業の概要より

ショートステイ(短期入所)

長男は来年度から、ショートステイや障害児入所施設も行っている施設の「放課後等デイサービス」を利用することになっているので、障害児入所施設内も見学させていただきました。

その際に感じたショートステイの良かったところ、不安なところについて挙げていきます。

良かったところ
  • 子供たちはとても落ち着いて過ごせるように、部屋割りや活動を決めている
  • 未就学児から高校生までの幅広い年齢の方が利用している
不安なところ
  • 長男の好きなタブレットなどインターネット環境が整っていない
  • 静かで音の響く閉鎖空間なので、今の長男が慣れるまで時間がかかりそう

環境に慣れるまで時間がかかるのは「当たり前」なので、何かあったらショートステイを利用しよう!と思っています。

まとめ

障害児育児において、協力者は絶対に必要なものだと私は思っています。

もちろん父母で協力することが理想的なことでありますが、様々な理由で、そうすることができなくなったとき、ひとりで働きながら育てていくことは非常に困難です。

私も現在働きながら、「このままフルタイムで働いていたも大丈夫なのか?」「両親に送迎をお願いしたままでいいのだろうか?」など、自身の働き方を模索しています。

ただ、療育園の先生に相談した時に、障害児育児は「ひとりで全てをしようとしなくていい」とはっきり言われました。

ひとり親であるお母さんやお父さんが倒れてしまっては、家族も崩壊してしまいます。

もちろん、祖父母も若くないので、何があるかは分かりません。しかし、祖父母に頼ることができなくなったとしても、様々な福祉サービスを利用しながら、長男を支えていくことで、家族に余裕がうまれて、前向きな子育てができると考えています。

これからも、色々な場面で大変なことは出てくると思いますが、私たち家族の形に合ったスタイルを見つけていきたいと思っています。

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