でこぼこ長男は知的障害ありの重度の自閉症スペクトラムです。
そして、音や触れることに対してとても敏感な感覚過敏と痛みを感じにくい感覚鈍麻を併発しています。
コロナ禍のマスクの着用を嫌がったり、運動会の参加でパニックになるなど、一般的には困ることのない社会活動や社会生活の中で、理解してもらえず「生きづらさ」を感じてしまう感覚過敏。
そんな感覚過敏や感覚鈍麻の特徴や長男の症状について説明していきます。
感覚過敏とは
感覚過敏とは、その名の通り聴覚や視覚、触覚などの感覚が過敏になっている状態を言います。感覚過敏がある人はたいていの人なら無視できるような状況や刺激を無視できなかったり、過敏に反応したりすることがあります。<引用:LITALICO-感覚過敏とは? >
一般的な感覚過敏は、聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚です。これらの五感が敏感になっている状態です。
感覚鈍麻とは
感覚鈍麻とは、特定の刺激に対する反応が低くなることで、痛みを感じにくかったり、暑さや寒さに気づかないことなどがあります。
●感覚鈍麻の原因について
感覚鈍麻の原因はあいまいではっきりとはわかっていませんが、感覚を伝達する際の神経信号の伝わり方の問題や信号を受け取ったあとの処理に原因があると考えられています。
https://junior.litalico.jp/column/article/091/
長男の感覚過敏と感覚鈍麻
感覚過敏
感覚過敏の種類 | 症状 | 具体例 |
触覚 | 口元や頬の刺激に敏感 | ・マスクの着用ができない ・なんでもまずは口元に当てて確認する ・ヒンヤリとした肌触りの布団が好き |
聴覚 | 大きな音が苦手 | ・体育館で響く笛の音や太鼓の音が苦手 ・特定の子どもの泣き声が苦手 |
視覚 | 照明が眩しいところが苦手 | ・スーパーやコンビニに入ることができない ・夜の車のライトに敏感に反応する |
味覚、嗅覚 | 見慣れないものを食べるときはまず臭う | ・同じ”切り干し大根”でも、家で作ったものしか食べず、惣菜は食べない ・ニオイを確認して嫌なものは絶対に食べない |
また、過敏さゆえに特定の音や映像を気に入って何度も見たり、くるくる回る、跳ねるなどの特定の感覚を好む「常同行動」も見られます。
スーパーは店内の音楽が鳴り響いていたり、照明が眩しいこともあり、慣れるまで時間がかかりました。
今でも嫌な時は、入店拒否したり、抱っこで移動することもあります。
長男の場合、聴覚や視覚については、慣れてくるとあまり嫌がることはなくなりますが、触覚、味覚に関しては、なかなか慣れることができないようです。
感覚鈍麻
長男は、「痛みを感じにくい」です。
2歳ごろに、玄関の階段の少し高いところから落ちましたが、痛みよりその感覚が楽しかったようでニコニコしていました。
現在も気づいたら、体にアザや出血があったりします。
感覚過敏と感覚鈍麻との付き合い方
感覚過敏や感覚鈍麻は、本人の感じ方の問題なので治すことが難しいです。
無理に治そうとせずに慣れていくことが大事です。
長男は、コロナ禍に療育園で”マスク着用の練習”をしたり、運動会の笛の音に慣れるために、”療育の中で笛の音を少しずつ聞かせていきました”。
マスクは少しの間であれば着用できるようになりましたし、最後の運動会は嫌がることなく参加することができるようになりました。
運動会や発表会などの行事は刺激が強すぎて、練習が始まると、家に帰ってからパニックがひどくなることもありました。
過敏さゆえに色々な情報が入りすぎると頭で整理できずに、家に帰ってパニックになってしまうのかな…と感じています。
まとめ
感覚過敏や感覚鈍麻は本人の感じ方の問題で、子どもの頃はその不快感をうまく伝えることができず苦しむ障害です。
親としては、なるべく理解してあげたいですが、何が嫌なのか分からないことも多く付き合っていくのが難しいです。
社会で生活していく上で避けることができないことであれば、慣らしていくしか解決方法がありません。
生活する上で必要な嫌な感覚が減っていくことで、本人が「生きやすくなる」こと。
これが親である私が今できることではないかと感じています。