でこぼこ長男は知的障害ありの重度の自閉症スペクトラムです。
さらに、幼児期から現在まで、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害もあります。
睡眠が安定しないことにより、本人は日中の療育活動に影響が出たり、家族も睡眠不足になり、心身ともに疲れ果ててしまう合併症の一つです。
そんな長男の睡眠障害との我が家の付き合い方についてお話しします。
睡眠障害とは
一般的に睡眠障害とは以下の5つが挙げられます。
睡眠の問題 | 症状の特徴 |
---|---|
就寝への抵抗 | 夜、寝ようとしない。 |
入眠困難 | 寝つきが悪い |
中途覚醒 | 夜中に何度も目が覚める。 |
早朝覚醒 | 朝早く目が覚める。 |
起床困難 | 朝起きられない。 |
一般的な自閉症の睡眠障害は、乳児期や幼児期に初めて現れます。全く寝ようとしなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
長男の場合は、保育園では先生の添い寝で寝ることもありましたが、家では全く寝付くことができず、1時までおんぶをしていた時期もありました。
様々な要因が考えられますが、一般的に自閉症は、「睡眠をコントロールするために脳で作られるメラトニンの量が少ないため自然に睡眠することが困難になっている」と言われています。
さらに長男は、感覚過敏もあるので、「季節の変わり目の気温の変化」や「寝具の肌触りの変化」「普段と違う行動による刺激的な出来事の影響」などにより、中途覚醒が起きているようです。
中途覚醒は多い時で夜中に2回(0時、3時など)起きたり、早朝覚醒は3時〜5時に起きています。
私も周りのママが「うちはトントンで寝るよ」と言っていた当時、寝かしつけに何時間もかかり悩んでいた私には添い寝で寝ることが考えられませんでした。のちに睡眠障害とわかり、納得しました。
睡眠障害が与える影響
我が家で起きた睡眠障害による影響です。
- 夜中に中途覚醒した日は、朝方寝ることも多く、日中の療育に影響が出る
- 兄弟や家族を起こさないように配慮したり、保護者の睡眠時間も減る
- 早朝覚醒した日は、夕方寝てしまい、夜寝れない
- 眠たいのに寝れないので、癇癪の頻度が高くなる
次男が産まれた時、長男は3歳。次男の夜泣きと長男の睡眠障害に対応している時は、起こさないように神経を使い、当時の私は毎晩寝ることが怖かったです。
終わりの見えない睡眠障害との向き合い方も分からず、起きてしまうと元気に走り回る長男に、ただ普通に寝たい、、、、逃げ出したくなるような毎日でした。
医師へ相談
長男は、3歳まで診断を受けていなかったのですが、3歳になったことをきっかけに、小児精神科を受診しました。
そして、寝つけにくいことや夜中に起きてしまうことについて相談をしました。
1年間、医師と様子を見ながら、様々な薬を服薬することになりました。
長男が処方された薬
- メラトベル
- エビリファイ
- 抑肝散
- メラトベル
- メラトニンによる睡眠導入を促す薬
- 初めに処方された薬。1mgが始めて現在は2mg服用。長男にはとても合っているようで、現在も服用中です。
- エビリファイ
- ドパミンの働きを調整する抗精神病薬
- 寝つけはメラトベルで改善されましたが、夜間覚醒が続いていたので服用しました。しかし長男には効き過ぎたようで、1日中眠くなってしまい、逆に療育を行うことができなったので、中止しました。
- 抑肝散
- 小児の夜泣きや睡眠障害に効果がある漢方薬
- エビリファイと同じタイミングで処方されました。好きな飲み物や食べ物に混ぜて飲ませようとしましたが、偏食がある長男には漢方薬はムリでした。
現在は、メラトベルのみ服用しています。昼寝をしていない限りは、メラトベルでスムーズに入眠できるようになりました。夜間覚醒や早朝覚醒は現在もありますが、夜中に2回起きるようなことは今のところ減ってきた気がします。
睡眠障害との向き合い方
長男の睡眠障害は治すことができません。しかし、サポートする家族や本人のためにも、なるべくポジティブに付き合っていきたい…と思っていました。そこで私が行った行動を挙げていきます。
療育園や主治医と睡眠表の共有
療育施設の先生と一緒に1日の睡眠スケジュールや癇癪の様子を記録していき、共有しました。どれくらい寝れているのか、いつから寝れなくなったのかなどが分かるので、考えられる原因や日中の過ごし方などのアドバイスをもらいながら過ごしました。
薬の服用
メラトベルは副作用の少ない薬とは言え、当初は睡眠の薬を子供に服用することに抵抗がありました。寝ない時だけに服用させたりしていましたが、ワンオペ状態&次男が産まれたことをきっかけに私の余裕がなくなり、寝ない長男にイライラしてしまうことが増え、軽いうつ状態に。そこで、家族や療育園の先生に相談し、毎晩服用することに決めました。
家族や友人、保育施設、職場に相談してサポートしてもらう
当時はパート勤務でしたが、睡眠不足が続くことで思考が停止し、働く意欲や家事をする意欲が消失していました。土日の休みもほぼワンオペだったので、限界寸前に…。そこで、並行して通っていた長男の保育園に相談して土曜日の保育をお願いしました。また、家族や友人に数時間子供を預かってもらったり、職場には勤務時間を変更してもらい短時間にしてもらいました。
「周りに迷惑をかけたらいけない」という気持ちが強かったですが、「お母さんが倒れたら家族みんなが倒れてしまうよ」と療育園の先生に言ってもらい、頼れるサポートを受けることを決意しました。
子供と一緒に早く寝る
現在は祖父母と一緒に暮らしているので、子供と一緒に寝ることができるようになりました。
一緒に寝ることで、早朝覚醒で早くに起きても、私はある程度の睡眠が取れているため、以前より睡眠不足が解消されました。
まとめ
睡眠は人間の生活で一番重要なものだと言えます。
疲れているのに睡眠が思うようにできないことによるストレスは本人が一番辛いですが、サポートする家族の負担も大きいです。
また、家族の状況や環境によって、付き合い方や負担の大きさも変わってきます。
一人で抱え込まずに、薬の服用を検討したり、周りのサポートを受けたりしながら、家族にとって一番ストレスの小さい方法を模索していきたいものです。