でこぼこ兄弟の長男は、知的障害ありの重度の自閉症スペクトラム症です。
長男は、とても病院が嫌いです。
▼長男の病院嫌いについてコチラの記事に詳しく書いています。
そして、超絶病院嫌いな長男が特に苦手なのが歯医者なのです。
感覚過敏な長男にとって、口周辺を触られること、独特な器具の音、、、嫌な要素しかありません。
▼感覚過敏についてはコチラの記事に詳しく書いています。
今回は、長男の事例をもとに、自閉症児(発達障害児)の虫歯治療の流れを紹介しています。
- 初めての歯科受診までの流れ
- 電話予約で伝えた内容
- 歯治療に向けて取り組んだこと
などに興味がある方に向けて、書いています!
歯科受診までの経緯
6歳になって数か月後、歯磨きの時に、歯ぐきがプクっと膿んでいるような腫れを発見。
見たこともないブツに、「なんだろう?」と思いながらも、先日の定期健診では問題なかったし、本人も痛がってないけど・・・
しかし、ビジュアル的にすごい腫れ方だったので、一応歯医者に行くことを決意しました。
- 園と連携して食後の歯磨きを徹底している(つもり…)
- 園で4か月に1回は、フッ素と定期健診を受けていた
前回の歯科健診でも何も言われなかったし、どこかで歯を打ったのかな???と思っていました。
歯科予約の電話
療育園で定期健診してもらっている歯科医が、自閉症児のような歯医者が苦手で暴れる患者にも対応してくれるところだったので、そこで診てもらうことにしました。
腫れを確認した次の日に電話をしました。
自閉症児の6歳の男の子なんですけど、歯ぐきにプクっと腫れがあるんですが診てもらえますか?
年内予約でいっぱいなので、空き時間でもよろしいですか?
少し待つかもしれませんが…
(待つのか~。でもしょうがないか)
分かりました。
ただ、言葉でのコミュニケーションができないので、暴れると思いますが大丈夫でしょうか?
確認するので、少し待ってもらってもよろしいでしょうか?
少し先になりますが、〇日の13時半であれば、職員の手が空いているので、その時間に来ていただくことはできますか?
はい!ありがとうございます!よろしくお願いします!
(休憩時間??待たなくてよさそう‥‥)
症状が発生してから5日後の予約となりましたが、休憩時間&スタッフの方がいらっしゃる時間帯を設定していただき、とても安心しました。
当日
療育園に迎えに行き、祖母と一緒に病院へ向かいました。
パニック対策として行ったことは、医師の写真をネットで検索して見せるのみ…。
医師の写真をネットで検索して長男に見せる。
病院へ到着し、長男は外観だけだと、どこかわからなかったようで、歩いて入ることができましたが、中に入った途端、顔色がみるみる変わりました・・・。
待ち時間は祖母と私にくっつき、恐怖でパニック状態になっていました。
個室に案内され、私と一緒に座りました。
しかし、歯科助手さんが口を見ようとしても、泣いて歯をくいしばってなかなか見ることができませんでした。
医師が来て、私の上に長男が寝転がる形で一緒に横になりましたが、パニック状態の長男は横を向いていました。
なんとか先生がほぼ目視だけで状態を確認し、神妙な顔つきで話し出しました。
おそらく・・・虫歯がかなり進行していますね
他の歯も何本か虫歯があります。
おそらく痛みもあったと思います。
ガーン(言葉を失う)
進行具合として、神経まで達していると思います。
本来であれば、歯医者の環境に徐々に慣らしていきながら治療することが理想ですが、すぐに治療をする必要があります。
次回はレストレイナーをつけて拘束して治療をしたいのですが、よろしいでしょうか?
レストレイナー??
初めて聞いたレストレイナーという言葉。
医師は、ネットのようなものです。と言いながら実物を見せてくれました。
レストレイナーとは?
治療を嫌がって暴れてしまうお子さんの場合で、歯の治療時にどうしてもある程度体の動きを抑える必要がある場合に用います。通常は保護者の方に必要に応じて抑制のお手伝いをしていただきますが、それが出来ない場合に、危険防止を第一の目的として用いることがあります。
<日本大学歯科部付属歯科病院より>
https://www2.dent.nihon-u.ac.jp/pediatric-dentistry/treatment/instrument.htm
日本大学歯科部付属歯科病院の上記HPにて、レストレイナーの写真も見ることができます。
日本小児科学会では、身体抑制の対象とする患者について以下の通り、定められています。
- 低年齢または何らかの障害等で身体拘束が歯科治療上の安全を確保するために必要であると認められること
- 身体抑制の必要性ついて、歯科医師および歯科衛生士等複数の者が認めること
- 身体抑制の方法や時間などを患者本人または保護者にわかりやすく説明し、了解を得ること
- 抑制中に術者以外に安全を見守る者を置くこと
これらの用件を満たした患者を身体抑制下で診療する対象患者とする。
なお、身体抑制には、レストレーナー®(身体抑制網)やタオル、抑制ベルト、術者や補助者による徒手抑制がある。
身体抑制により、本人にとって歯医者がトラウマになってしまうことも考えられます。
本来であれば、定期的に歯科に通うことで、歯医者に慣れることが一番です。
しかし、長男の場合は、虫歯がかなり進行しており、慣れるまで待っておくことはできませんでした。
私は、医師からのレストレイナーを利用した治療方法について、承諾し、「お願いします!」と即答しました。
治療に向けて
歯科治療は、長男にとって最悪な環境でとても嫌なことをされること。
それは分かっているが、避けることができない。
そこで、治療までの間、「長男や私自身の不安を少しでも軽減することができないか?」と考え、以下を行いました。
- 治療の流れなどについて、写真やイラストで視覚的に説明する
- 歯磨きを徹底する
- 他に治療できる歯科を探す
①治療の流れなどについて、写真やイラストで視覚的に説明する
ネットで検索し、イラストを提供してくれるサイトを発見。
参考にしたサイト
イラストをダウンロードして、虫歯になった→歯医者に行く→待つ→レストレイナーに入る→治療をするという流れでパワポを作りました。
印刷後、ダイソーのファイルに用紙を入れて、治療5日前くらいから読み聞かせていました。
②歯磨きを徹底する
とにかく虫歯があったことがショックでした…
しかし、もっと悪化させてはいけないと、歯磨きの方法を見直しました。
これまでやっていなかった歯磨き粉の練習、嫌がっても抑えて毎日しっかり時間をかけて歯磨きをするようにしました。
祖母にお願いし、私が仕事で不在である朝の登園前の歯磨きもするようにしました。
③他に治療できる歯科を探す
歯科については、特に病院について調べたことがなく、長男に合う病院探しをどのようにしたらいいか分かりませんでした。
障害者への対応ができる歯医者を見つけるために、療育園の卒園生のママに「障害のある子をみてくれる病院を知らないか?」と聞いてみました。
すると、地域の歯医者の他、障害歯科専門の病院があるという情報を手に入れることができました!!
病院に電話をし、受診したいときの流れを確認し、歯磨きの相談にも乗っていただくことができました…。
もし今の病院で治療ができないのであれば、障害児専門歯科に行こうと思っています。
「障害のある子供たちに寄り添ってくれる機関がいろいろあるんだな~」と改めて思いました。
④ジュース禁止!シュガーレスOK!
長男は炭酸や乳酸飲料が大好きです。
しかし、虫歯だらけの今、家での炭酸は辞め、ラムネもシュガーレスに変更しました。
すべてを禁止するのは可哀想だったので、乳酸飲料はOKにして、飲んだら歯磨き!という流れを作りました。
オススメのシュガーレスラムネ!
ラムネ大好き偏食長男にヒットした大好物のキシリトールのシュガーレスラムネです。
5mmくらいの小さいサイズのラムネで、「ソーダ」「ぶどう」「オレンジ」の3種類の味が入っています。
コンビニやスーパーにも売ってあります!
意外とシュガーレスのラムネでも、超偏食ボーイ長男は受け入れてくれて良かった…(笑)
ついに治療開始
虫歯発覚から約1か月(人気の歯医者のため、予約取れず)
ついに不安だらけの長男の虫歯治療が開始しました…。
- 数本の虫歯発覚←今回の記事はコチラ
- レントゲン撮影、神経を抜く
- 型を取る
- 型をはめる、隣の虫歯治療→1本治療終了
- 虫歯治療(2本目)
- 虫歯治療(3本目)
治療の経過、長男の様子については、別記事にて更新していきます!!
まとめ
親子共々恐れていた歯のトラブル・・・。
自閉症児の虫歯治療は、数々の病院の中で最難関であると私は思っています。
しかし、どれだけ防ぐ努力をしていても虫歯になる時はなりますよね。
通院を始めて「もっと早くから通院しておけばよかった」とても後悔しました…
そして「なんで早く気づかなかったんだろう」とても落ち込みました…
同じように恐れていて、お子さんの歯医者に挑戦していない方は、少しずつでも歯医者に慣らしておくことをオススメ。
私も1年前に戻ったら、迷わず通わせていたことでしょう。
長男は既にもう虫歯だらけなので、
- (嫌がっても)しっかり治療すること
- (嫌がっても)家での歯磨きを徹底すること
- 甘いものはなるべく控える
を目標に掲げ、家族で虫歯治療に取り組んでいます!