でこぼこ兄弟の長男は、知的障害ありの重度の自閉症スペクトラム症です。
長男は、2024年4月に、市内の支援学校へ入学しました。
療育園最後の年長のときは、学校見学や放課後デイサービスの検討など、大忙しでした。
私が就学前1年間で行ったこと、ワーママでありながら両立できたコツなどをご紹介します。
- 就学前1年間のスケジュール
- 就学準備!やっておきたいこと
- ワーママの仕事と就学準備の両立方法
※具体的な就学手続きの流れは、お住まいの市によって異なります。詳しい内容については、市の教育委員会へご確認ください。
就学前1年間のスケジュール
就学前の1年に行ったことは以下のとおりです。とてもハードでした・・・!!
※長男の場合、支援学校に進学を決めており、支援級や普通級を検討していなかったため、就学相談会には参加しておりません。
就学準備の主な内容は、以下の3点です!
- 学校と放課後デイサービスの検討
- 必要書類をそろえる
- 事前面談・引継ぎ
ここからは、「学校」と「放課後デイサービス」で分けて、見ていきます。
学校関連の準備
長男の進路については、以下の前提のもと、就学準備を進めていきました。
- はじめから就学先を支援学校しか考えていなかった。
- 発達外来に通院しており、診断済み。かかりつけの主治医がいる。
- 長男の目標は、「身の回りのことを一人でできるようになってほしい」「楽しく過ごしてほしい」
①5月に学校見学に一人で行き、小学部の主事と1対1で面談
支援学校しか検討していない旨を伝え、今後の流れについて教えてもらいます。
支援学校しか考えていないので、
「教育委員会に電話で支援学校に行く旨を伝える」→「教育委員会の担当者と面談」→「必要書類をそろえて教育委員会に提出」→「教育委員会審議で検討」という流れになりました。
支援学校と支援学級、普通学級で悩んでいる場合、7~8月に行われる「就学相談会」に参加して、様々な方の意見を元にお子さんの就学先を決めます。
しかし、長男は私の中で、支援学校就学で決まっていたため、「就学相談会」に参加しない珍しいパターンを選択しました。
②教育委員会に電話して、面談日程を決め、6月に面談を行う
面談時は、「就学相談会」で記載するアンケートを記入。
提出しなければならない書類についての説明を受ける。(提出締切は10月末)
- 医師による診断書
(「支援学校or支援学級が相応しい」などと書かれたものを出さないといけない) - 療育手帳のコピー
- 最新の発達検査のコピー
③診断書をもらうために、主治医を受診
長男の通う発達外来はなかなか予約が取れないので、4月の時点で6月に予約を入れていました。
発達検査を受けた結果、主治医に「支援学校入学が相応しい」と書かれた診断書を記入してもらいました。
④提出書類を教育委員会に出しに行く(8月)
長男は6月に療育手帳の更新があったので、最新の発達検査結果として、児童相談所で受けた発達検査を提出しました。
また、療育手帳はAに更新されたので、更新後の療育手帳のコピーを提出しました。
⑤長男と一緒に学校見学へ(9月)
長男は初めての場所が苦手なので、5月の見学は、私一人で行きましたが、一度慣らしておきたいと思ったので、連れていきました。
30分ほど校内を歩きましたが、とても落ち着いてまわることができ、安心しました。
⑥体験入学会へ参加する(9月)
- 校内見学
- 授業や入学に関する説明
20分くらい母子分離の時間もありました。
嫌がることなく、先生の元で過ごすことができました。
1時間半くらいの体験入学会でしたが、初めての部屋でソワソワして、動いてしまうのでずっとお絵かきをしていました。
しかし、1時間くらいで飽きがきてしまい、涙が出てきたので、そのあとはずっと抱っこ…。汗だくになりました(笑)
⑦小学校の仮入学(健康診断)の辞退連絡(9月)
地域の小学校に入学する場合、10月に実施される仮入学に行かなければなりません。
その案内が、長男にも届きました。
しかし、長男は支援学校に入学希望を出しているため、教育委員会に確認をしたところ、書類を持ってきてほしいとのことでした。
後日、教育委員会へ行き、仮入学の辞退を申し入れて、仮入学の案内書類一式返却しました。
できれば、教育委員会の中で、このような情報も共有していただき、このような手間がないようにしてもらえると助かりますが、なかなか難しいのでしょうかね…。
昔の自分だったら、「通級だったらこんなことできたんだな」と考え、辛くなっていたと思うので、配慮してもらいたいですね。
⑧教育委員会審議(11月)
これは、私たち当事者は参加しません。
この会議の中で、お子さんたちにとってどの就学先が相応しいのか判断され、就学先が決定します。
⑨決定通知書が郵送で届く(12月)
「支援学校に就学することが相応しい」等と書かれた書類が届きました。
そして、同封の書類にサインをして、教育委員会に提出に行きました。
とにかく教育委員会に何回も通いますね…(笑)
⑩事前面談の案内が届く
支援学校から事前面談の案内や記入書類が大量に届きます。
学校に電話し、日程調整をして、後日面談をしました。
⑪事前面談(1月)
何も準備せずに、長男と行きました。しかし、想像以上にこまかく長男について聞かれました。
- 食事のこと
- 好きなキャラクターや遊び、うた
- 注意しなければならないこと
ある程度は答えることができましたが、終わったとに「あれも言えばよかった!」と思うことがたくさんあり、まとめておけばよかったな~と後悔。
ちなみに面談中は、先生がおもちゃで長男の相手をしてくれていました。
面談時には、入学までの流れや必要物品について書類はありましたが、あまり細かく書かれていませんでした。
⑫療育園で引き継ぎ書の確認(2月)
療育園を卒園して、就学するときには、療育園側が引継ぎ書を作成してくれます。(支援学級の場合も)
その書類の内容の確認と学校へ就学した後の保護者や本人の意向を聞かれました。
保護者や本人の意向とは、「学校でどのように過ごしてほしいか(過ごしたいか)?」といったものでした。
長男の場合は、
- 静かな環境で落ち着いて過ごしたい
- たくさん身体を動かしたい
- 大好きなフルーツ(バナナ・いちご・ぶどう等)をたくさん食べたい
- 絵カードなどを用いて、コミュニケーションをとれるようになってほしい
としました。
3月に療育園の先生が引き継ぎ書を持って、支援学校へ訪問し、長男の出生からこれまでのこと、特性、個別支援計画について説明してくれます。
⑬仮入学
3月下旬に仮入学がありました。
午前中で、子供は引率しなくても良かったので、連れていきませんでした。
仮入学では、学校や修学奨励費についての説明や体操服などの物品購入をしました。
まだ担任が決まっていないので、毎日必要なモノなどについてはほぼ説明がありませんでした。
通常学級であれば、筆箱などの筆記用具が必要だと思いますが、長男は購入していません。
放課後デイサービス関係
施設見学
放課後デイサービスの見学には、5か所に行きました。
さらに、第一候補の放課後デイサービスには3回見学に行き、1回目の見学の段階で相談事業所に「このデイサービスに通いたい」ということを伝えていました。
引継ぎ会議&契約
引継ぎ会議は、放課後デイサービスの担当者、日中一時支援の担当者、療育園の先生、相談事業所の担当者の合計5名で行われました。
相談事業所の担当者の提案で、療育園の先生なども招集してもらえましたが、このように集まって引継ぎをするのが当たり前ではないようです。
療育園の先生から、長男の普段の様子や注意しなければならないことなどを説明してもらい、長男の様子について共有をしました。
その後、放課後デイサービスの担当者と面談を行い、支援学校の書類で記載した内容と同じようなこと(好きなものやおもちゃ、食べ物)などのアンケートを記載し、契約を行いました。
3時間くらい時間がかかりました。
就学に向けてやっておきたいこと
これまで説明してきた通り、就学前1年間は、本当に忙しい1年でした。
ここからは、私がやっておけばよかったこと、やってよかったことなどを紹介します。
長男の好きな食べ物や遊びなどをまとめておく
事前面談では、何度も何度も同じことを聞かれました。
「好きな食べもの・嫌いな食べもの」「好きな遊び・うた・おもちゃ」「食事の方法」などは、様々な人に何度も答えました。
面談の時には思い浮かばなかった長男の大好きなものを後になって思い出したりしました。
「あらかじめ、面談前にリストにしておけばよかった…」と後悔しました。
発語がない長男のような子の場合、自分で好き嫌いを伝えることができません。
さらに、大きく環境が変わるので、好きなものをたくさん共有しておくことで、何かあった時にお子さんも支援者の方も安心すると思います。
そこで、就学して初めてのモニタリング会議の時には、長男の好きなものなどを記載したリストを準備して、放課後デイサービスに渡しました。
見学は数回行く
支援学校・放課後デイサービスともに数回見学に行きました。
特に第一候補となった放課後デイサービスは、3回見学に行きました。(親一人で行き、子供を連れて2回行きました。)
親一人で行った時は、じっくり質問をして、不安点や不明点を解消するようにしていました。
支援者や子供たちも曜日によって違うので、雰囲気が違います。
長男と通っている子供たちとの相性を見たりして、「本当に合うだろうか?」と見るようにしていました。
先輩ママと繋がる
これだけ支援学校や放課後デイサービスに時間を費やしてきましたが、それでも就学後のことでわからないことばかりで、とても不安でした。
そこで、知り合いのママ友から、同じ療育園を卒園し、支援学校へ入学したお母さんを紹介してもらい、就学についてたくさん質問をさせてもらいました。
特に、「食事面や通学のこと」「学校に慣れるまでのこと」。
今通っている方からの経験談を聞くことができ、とても安心することができました。
ワーママの就学準備の両立
これまで挙げてきたように、就学準備はとても取り組むことが多く、とても時間がかかります。
見学する施設の数が増えると、休みを取らないといけないので仕事との両立が難しくなります。
私の会社では時間休や介護休暇制度があるので、その休みを使って見学や面談、教育委員会への資料提出に行っていました。
しかし、サービス業で働いているのひとり親のママ友はどうしても頻繁に休むことが難しいようでした。
そこで、見学や面談などは休みを使って行き、資料提出などは両親や家族を頼っていると言っていました。
また、教育委員会への提出書類は、郵送でも受け付けてもらえる可能性もあると思います。
フルタイムで働いている親にとって就学準備はとても大変ですが、子供の就学先・デイサービスを決める大事な1年になります。
職場や家族に相談して、充分な時間を使って検討した方がいいと思います。
最後に
やることが後を耐えない怒涛な1年でしたが、周りの支援もあって乗り越えることができました。
就学した長男は、私の心配をよそに多少波はありますが、今は楽しく学校に通っているようです。先生方もとても優しく親身になって長男を支援してくださる方ばかりです!
放課後デイサービスも、長男のような重度の障害を持つお子さんが多いので、手厚い支援を受けることができています。
1年間大変でしたが、頑張って良かったと思っています!
現在は、1箇所の放課後デイサービスしか通っていませんが、将来のことを考え複数のデイサービスを利用していくことも検討しています。
就学先や放課後デイサービスは、お子さんの状況によって変えることができます。
その度に見学や面談など大変なこともありますが、今後も長男にとって落ち着ける環境探しを続けて行きたいと思っています。